ねじ関連規格
テーパねじ(R/Rc)と平行ねじ(G)
空気圧機器のポートは、日本国内ではテーパねじ(Rc)が主流です。
海外では、ISO規格やSAE規格のMねじ(メートルねじ)・Gねじ・UNFねじなどの平行ねじが主流で、日常的に使用されています。
テーパねじはシールテープなどをねじに巻き、おねじとめねじのすきまを埋めるシール方法ですが、平行ねじは締結ねじとシール(弾性体シール、Oリング等)を分離しているため、次にあげる利点があります。

1)平行ねじは、締付けにより金属部座面が接するため、トルクレンチ等を使用し、常に均一で、安定した締付け状態が実現できる。
2)シールが弾性体シールやOリングのため、漏れを完全に防止できる。
3)テーパねじの場合は締付トルクの目安はあるものの、作業者の感覚的なもので最終締付完了ポイントの判断することが多く、ばらつきやすく、配管の振動等によるにじみ漏れが発生する場合がある。
4)シールテープなどが油圧機器の中に混入することがなく、管路詰まりなどを生じない。
5)テーパねじの場合は増し締めなどでねじ部に大きな応力集中が起き、曲げや疲労に対して弱いが、平行ねじは、端面フラット部の座面があるので、これらに対して強い。
ねじ関連規格
R(Rc)ねじとNPTねじは接続できますか?
R(Rc)ねじとNPTねじは,接続できません。
ねじ山のとピッチが異なりますし,ねじ山の角度も異なります。
ねじ山角度:R⇒55°,NPT⇒60°
ゴム材質
空気圧機器に使用しているゴム材質の特長を知りたい。
■NBR
名称:正式名称はニトリルブチルラバー。ニトリルゴムとも言います。
特長:耐油性、耐摩耗性が優れており、最も空気圧機器に適しています。一般的に使用されるので価格も低く、割と万能です。おおよそ3段階のニトリル配合量によって、耐摩耗性重視(高ニトリル)
弾性重視(低ニトリル)などがあります。 
ただし、近年の半導体製造ラインなど、超乾燥,オイルフリーの圧縮空気 はオゾンの残留濃度が高くNBRの分子二重結合を破壊し、オゾンクラックと呼ばれる亀裂を生じます。
■HNBR
名称:水素化ニトリルゴム。
特長:NBRの耐油性、耐摩耗性をそのままに、水素を添加して、耐オゾン性を持たせたものです。
■FKM
名称:フッ素ゴム。一般的には商品名の”バイトン®”が有名ですが、バイトンはデュポンの商標です。
特長:耐薬品性が最も高いゴムであり、また,完全な耐オゾン性を示します。 耐熱温度も高い。
■EPDM
名称:エチレンプロピレンゴム。
特長:耐水性、耐オゾン性が高いが、耐油性は劣ります。
■CR
名称:クロロプレンゴム。
特長:殆んどNBRに似た性質ですが、二重結合が少ないので若干、耐オゾン性もあります。
選定・設置
寒冷地の屋外に空気圧機器を設置したいが、どのようにすればよいか?
空気圧機器本体はカタログ表記の使用温度以下では使用できません。
内部に封入したグリースの凍結や、部品の寸法変化があるためです。それでも空気圧機器を寒冷地の屋外で使用しなければならない場合は、シリコンラバーヒーターやジャケットヒーターを使用して、断熱・加温をしてください。
また、ドレンの凍結対策として吸着式ドライヤの設置も必要です。冷凍式エアドライヤの加圧露点は10℃程度であり、凍結対策にはなりません。
選定・設置
供給エアは無給油,給油どちらが良いのでしょうか?
無給油式の空気圧機器はあらかじめグリースを封入しています。
給油することも可能ですが、一旦給油した場合はオイルによってあらかじめ封入されたグリースが流出するため、給油状態を中断しないでください。
なお、オイルはタービン油1種(無添加)ISO VG32を使用してください。
その他の油(スピンドル油、マシン油)はパッキン及びプラスチックを侵すことがあるため、絶対に使用しないでください。
なお、無給油式の空気圧機器に給油しても性能、耐久性向上はありません。
無給油でのご使用をお奨めします。